【骨盤の横開閉】
‘開いた骨盤’という場合に頭に浮かびやすい、横方向への開き。
例えば横幅の広い、どーんと大きなお尻や、垂れ気味のお尻。骨盤の開きが原因しているのでは?と秘かに悩んでいる女性も多いのではないでしょうか。
まず、女性は男性に比べて、もともと骨盤の作り自体横幅が広く、骨盤腔(こつばんくう・下図の赤丸部分)と呼ばれる、骨盤内に内臓を収める部分も大きいことを押さえておいて下さい。

(骨盤男女の比較・前面図)
イラストby「アイリス・アイリスの作業現場」
そして、みなさんがよくご存じの「股関節」。ストレッチなどで開脚動作が硬い人は、股関節自体が硬い場合と、骨盤が閉まりすぎの場合があります。その両方が関わることも多いです。
このことを頭に入れた上で、仙腸関節を軸とした腸骨の開閉状態を検査していきます。
横の開閉の場合、基準にすると分かりやすい部分が「上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)」。上図では、一番上の赤線、左右の起点にあたります。腰に手を当てて牛乳などを飲むとき、手を当てた指先の辺りです。
左右の上前腸骨棘間の距離が離れていれば骨盤は横に開いている、近づいていれば骨盤は横に閉まっていると考えられます。
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【右寛骨が外側に開いた状態】 |
【右寛骨が内側に閉じた状態】 |
※分かりやすいように模型を分解し、動きを誇張して撮影しています。 |
このときにドアの蝶番の働きをしている関節が仙腸関節。骨盤のかたちが正常か、あるいは開きすぎか閉じすぎかは、両側の仙腸関節が正常に動いているかどうかを検査して確かめます。
例えば左の仙腸関節の位置がずれて(変位して)動きにくくなった結果、左の腸骨が開いたまま、あるいは閉じたまま固着した状態。それが両側で起こる場合もあります。
また、仙腸関節が動きにくくなって固着するばかりではなく、尻もちなど打撲をしたり、出産の影響により仙腸関節が弛んだままグラグラになり、骨盤が不安定になってしまうこともあるのです。
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